レアンドロスとヘロ恋路

ギリシアとアジアを隔てるヘレスポントス海峡
(エ−ゲ海とマルマラ海を結ぶ現在のダ−ダネルス海峡)
は波風が高く潮流が激しい所と知られていました。

そして海峡を挟んでアジアのアピュドスとギリシアのセストスの町は向かい合っていました。

アピュドス側に住むレアンドロスという若者はアフロディテとアドニスの祭礼の日にセントスの町に行って、そこでアフロディテ神殿の巫女ヘロと出逢いました。

ヘロは彼女が仕えるアフロディテに生き写しの様な美少女でした。

愛の神エロスの弓矢が貫いたのか2人は互いに一目惚れしてしまいました。

当時の掟で巫女の恋愛は禁じられていた為に2人は、この恋を隠し通さなければなりませんでした。

荒れる海峡を隔てて、禁じられた恋に身を焦がす2人に出来るたったTつの事は毎夜レアンドロスが激流に逆らって暗い海を泳いででもヘロの所へ通う事だけでした。

若者レアンドロスが[月の女神]アルテミスに祈りながら、海峡の半ばまで来ると娘が塔の上で燃やす、かがり火が目印となってレアンドロスを勇気づけました。

[暁の女神]エオスがその姿を空に現すまでの僅かな時間2人は短い会瀬を重ねるのでした。

レアンドロスの情熱は更に激しくなるばかりで幾夜も幾夜も体がクタクタに疲れながらもヘロの住むセントスに通い続けました。

季節は過ぎて寒い北風が吹き荒れる夜の海を泳ぐ事は困難になってきました。
レアンドロスは[阻む北風の神]ボレアスに祈り、そして呪いました。

ヘロの方もレアンドロスが来ない夜は、彼が心変わりしたのではないか?という不安と嫉妬にかられて身を焦がしていました。

海は七日の間、大時化が続いて、その間ヘロに会いに行けなかったレアンドロスは遂に我慢出来なくなり海に飛び込みました。

逆巻く怒涛に身を投じて対岸を目指して泳ぎ出します。
しかし夜の海は凍る様な冷たさで徐々にレアンドロスの体力を奪って行きました。

彼は死んでもいいとすら思いながら泳ぎ続けましたが遂に力尽きてしまいました。

一方のヘロは毎晩かがり火を焚いてはレアンドロスを待ち続けていました。
期待に胸を踊らせて不安に苛まれながら、眠れぬ夜をずっと海を見つめながら、かがり火を灯し続けていました。

すると一頭のイルカが岸に近づいて泳ぎ去って行く姿を見付けました。
暗い浜辺には動かないTつの人影が打ち上げられていました。

ヘロはその時、愛するレアンドロスが決して心変わりしたのではなかった事を思い知らされたのでした。

それは死んでもヘロの元に辿り着こうとしたレアンドロスの亡骸でした。

ヘロも悲しみの余りレアンドロスの後を追って冷たい海に身を投げ死んでしまいました。

イルカは[愛の神]エロスの使者だったと言われています。





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