全身が真っ白で背中には立派な翼が生えた白馬の姿で美しく大空を自由に駆け巡る事の出来る天馬ペガサスは勇士ベルセウスが怪物メデュサの首をはねた血溜りの中から兄弟の巨人クリュオサルと共に生まれました。 優美な姿の反面、優雅な外見とは対象的に気性の荒い馬で乗る人を選んで当初は大神ゼウスの雷鳴と電光のみを運んでいました。 人間は誰も近付けずに挑戦して乗ろうとした者を振り落とそうとした為に女神アテナが黄金の馬勒を付ける事でペガサスを飼い馴らします。 そして、アテナはヘリコン山に住む音楽と芸術の女神ムーサ達にペガサスを贈り与えました。 このヘリコン山でペガサスが蹴って吹き出させたのが馬の泉ヒッポクレ−ネという泉でした。 この泉の水を飲むと霊感が働き素晴らしい詩が作れると言われていた為に詩人たちはヘリコン山に登って泉の水を求めました。 その頃、コリントスの国にグラウコスという馬好きな王がいました。 王は馬を可愛がる余りに馬に人間の肉まで食べさせて養っていました。 その馬は気性が段々荒くなり国王を八つ裂きにして殺してしまいました。 その為に王子ベレロフォンは国にいられなくなり隣国ティリンスのブロイトス宮廷に身を寄せました。 ベレロフォンは武勇に秀でた美青年で王妃アンティアの気にとまり、すっかり気に入られてしまいます。 しかしベレロフォンは王妃アンティアの求愛を退けた為に妃の怒りを買ってしまいます。 ブロイトス国王は妃から 「ベレロフォンが自分を犯そうとした」 と嘘を吹き込まれました。 しかしブロイトス国王もベレロフォンを殺せずに親族が治めるリュキア国に向かわせる事にしました。 その頃リュキア国は怪物キマイに荒らされて、国王イオパデスはキマイラを退治してくれる勇者を探していました。 そこへ長い道のりを経たベレロフォンがブロイトスからの手紙を持参して来たのです。 イオパデスはベレロフォンを歓迎して九日目になって、ようやくブロイトス国王からの手紙を開きました。 その手紙には 「ベレロフォンは誰にも負けない勇者だが殺してくれる様に計らってくれ」 と書いてありました。 国王イオパデスは食卓を共にした客人を直接手にかける事は出来ずにベレロフォンに怪物キマイラ退治を命じました。 国王はベレロフォンがキマイラの餌食になって生還出来なければという考えがあったのです。 キマイラはテュポンとエキドナの娘でライオンの頭と山羊の胴体、蛇の尻尾を持つ怪物でした。 そして口から火を吐いては田畑や森林までも焼き尽くして人々を震え上がらせていました。 ベレロフォンは怪物をどう退治するか悩んで占い師に診て貰いました。 「天馬ペガサスに乗って行くが良い。 それには女神アテナの神殿に赴き祈る事だ」 ベレロフォンは占い師に言われた通りに神殿に行き祈りを捧げました。 アテナは謙虚な態度のベレロフォンを気に入り助ける事にします。 そしてアテナが夢の中に現れてペガサスの捕らえ方を教えてくれました。 目を覚ますとベッドの上に黄金の手綱がありました。 ベレロフォンは喜んで天馬ペガサスを探しに出掛けます。 ベレロフォンはアテナに言われた通りにヘリコンの山ピレ−ネの泉に行きました。 そこで真っ白な翼と真鍮のひづめ、輝く金の縦髪の美しい馬を見つけました。 ペガソスはベレロフォンを見ると翼を広げて飛び去ろうとしました。 ベレロフォンが女神アテナの黄金の手綱を天馬の頭上に投げると馬はおとなしくなり捕らえる事が出来ました。 ベレロフォンはペガサスに乗ると入念に戦いの計画を立てて怪物キマイラ退治へと向かいます。 そしてキマイラの住む岩山に辿り着きました。 キマイラはベレロフォンを見ると火を吐いて攻撃して来ます。 ペガサスはキマイラの吐き出す炎を上手くかい潜り、ベレロフォンはキマイラが火炎を吐く際に先端に鉛の塊を付けた槍を口に放り込んで、火炎の熱で溶けた鉛で喉を塞がれて窒息死させて退治しました。 この手柄でベレロフォンは英雄となりました。 国王イオパデスは手紙の件もありベレロフォンの命を狙っていましたが、自分の誤解だと非を認めてベレロフォンを気に入り娘ピロノエと結婚させて国王の座を譲る事にします。 ベレロフォンは多くの戦いに天馬ペガソスで乗り付けていつも勝利を得て武勇伝を残しました。 しかしイオパデスは手紙の件もありベレロフォ−ンの命を狙っていました。 後に自分の誤解だと非を認めて娘と結婚させて彼に国王の座を譲る事にします。 ベレロフォンの名声は上がるばかりでした。 それと同時に次第に性格が変わって謙虚さを無くし増長して、ペガソスに乗って天界へ行き神々にまで自分の手柄を自慢しようとしました それを知ったゼウスは激怒して一匹の虻を放ちペガサスの鼻を刺させます。 その途端に驚いたペガサスは空中で背中からベレロフォンを振り落として天に昇って星座となりました。 地上に落ちたベレロフォンは命は取り留めたものの盲目となり足を悪くして以後、生涯足を引きずりながら惨めな末路を辿りました。 (墜落死という説も有り) これは自分の身分も弁えずに神々を侮った人間の慢心を戒めたものです。 <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
[編集] 無料ホームページ作成は@peps! |