イクシオンの大罪


テッサリアにイクシオンという王がいました。

彼は結婚する際に花嫁の父に結納金を払うのが惜しくなり義父を殺しました。

国民はこんな非情な王を見捨てていました。

しかし大神ゼウスは自らも父クロノスを追い落として最高神の座についた経験からイクシオンに同情してオリンポスに招いてアンブロシアでもてなして、その罪を清めてあげました。

しかしイクシオンはゼウスに対する恩を仇で返します。
なんと彼はゼウスの正妻ヘラに恋して犯そうとしたとも。
誘拐したとも言われる行為をしました。

結婚と家庭生活の守護神であるヘラはゼウスがどんなに不実で浮気しても、貞操の固い彼女は不倫をする事は全く無かったのです。

ゼウスは雲でヘラの似姿を作りネペレ(雲)と名付けて命を与えました。
そんな事とは知らないイクシオンはネペレをヘラと勘違いして彼女に迫って何人もの子供を産ませました。

この時に生まれたのが上半身が人間で下半身が馬のケンタウロスでした。
彼らは肉食の凶暴で好色だと言われた騎馬民族の祖となりました。

雲とは言えどもヘラに迫ったイクシオンにゼウスは激怒します。
そして冥界を治める長兄ハデスの元にイクシオンを送ります。
冥界の中でも特に罪人だけが行くタルタロスでイクシオンは燃えながら回転する巨大な車輪に縛られて永遠に鞭打たれると言う罰を受け続けているのです。




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