携帯ラブロマンス小説
渋谷でブラック&メタル
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●場所が渋谷の円山町のラブホ。リカが 上関カツオという客と来ている。どんな客にも今さら驚かないリカだが、この客の好みは「パイ投げ」だった。さかんにリカにパイを投げ付けるカツオ。パイのヌルヌルに女が被われるのが良いらしい。投げ付けられているうちに、だんだんムカツイテ来て、投げ返すリカ。するとカツオ、「女にパイを投げ付けられる」という行為がさらに琴線に触れたらしく大興奮して盛り上がる。

●ヨレヨレになっていつもの倍の金額を、カツオからふんだくってラブホから出てくるリカ。仲間との待ち合わせ場所のマイアミに行く。リカは援助交際グループのリーダーなのである。そのへんの背景やシステムや料金の説明。仲間と話している時にも、客から電話が来てシーナを行かせる。表面はとても愛想よくて親友ぶっているが、店から出て1人になったとたん、リカの悪口を(1人で大声で)言いはじめるシーナ。通行人が気持ち悪るがって見てる。シーナは心の底からリカを憎んでいるらしい。激しいコンプレックスと憎しみ。今に見ていろ!と恨んでいる。

●別な日の夜。ライブハウス。リカ、シーナは「アンチ・クライスト」を見に行く。「アンチ・クライスト」のリーダーはシホンというゴスロリ男。そのカリスマ的魅力で渋谷の少女の間で大人気。インディーズチャートでNO1を取った代表曲が「ブラック&メタル」。何度もメンバーやファンが怪死を遂げている呪われたバンド、黒魔術をやっているという危険な噂も。そこがまた魅力らしい。とか、わざとらしいが仕方がないので説明的に話す三人。出待ちをしていると、ブスなファンがブスのくせに、シホンに抱き着く。激しく怒り狂ってブスを突き飛ばし「ブスは生きる資格なし!」と、倒れこんだブスの顔面をブーツで何度も踏みつけにするシホン。ゲロを吐いて苦しむブスを見て大笑いするシホンとメンバー。そのあまりの冷酷さに、ぞっとして性的に興奮するリカたち。「すごいヤバすぎ」。しかし、やはり怖いのでなかなかお近付きになれない。すると、そこにあらわれたのが、犬のバックという美少年。

●この犬のバックだが西園寺力王という立派な名前のある人間なんだが、どういうわけか自分を犬だと思い込んでいる。そして、リカを大好きなのである。リカのストーカー犬なのである。リカを見つけて、キャンキャンワンワンと騒いでぺろぺろなめる犬のバック。バックの望みはリカに、「バック」と呼んで犬扱いされる事なのである、この変態男。しかし、リカはこのバックがキモイので大っ嫌いなのである。美少年なんだから、自分を犬とさえ思っていなければねえ、と残念がるシーナ。しかし、リカは腸が煮えくりかえってそれ所ではない。「キモッキモッ」「ヘンタイヘンタイ」とバックを足げにするが、それこそバックの望みに近いので、大喜びして駆け回るバック。効果がないのでげっそりするリカ。

●そんな大騒ぎのリカにこっそり目を付けるシホン。なにやらマネージャーに耳打ちをする。

●数日後。学校。バックが忠犬ハチ公のようにリカを待っている。実はリカが援助交際をしていることは、バックには絶対に言うな、とシーナは口止めされていたのである。知ったら必ず客で来るからと。そこでムカツいていたシーナはその秘密をバックにバラしてしまう。「リカちゃんとホンバンできるワン!」と大喜びするバック。クルクル回って興奮して電柱におしっこする。ニヤリと笑うシーナ。

●しばらくして、リカ、シーナが一緒にいたとき、リカが席を外していた時に仕事用の携帯に電話が掛かって来た。シーナが出ると、掛けて来たのはなんと、シホンだった。出待ちでリカのことをみそめてマネージャーに頼んで電話番号を調べてもらったのだ。シーナは、「自分がリカです!」と偽り、シホンに会いに行く。待ち合わせ場所。シホンはシーナを見ると別人だったと間違いに気付く。しかし、シーナはお色気攻撃でシホンにせまる。「あたしじゃいや?」「いやじゃないよ」。シホンの家に向かう二人。家に行くとそこは古い元教会だった。「噂には聞いていたけど、ほんとに教会に住んでるのね?でもこれはなに!?」見ると、キリスト教徒と思っていたが、逆さ釣りの十字架(キリスト付き)が天井からぶら下がっていた。無気味な感じ。悲鳴。その後、シーナの姿を見た者はだれもいない。

●一方、バック(犬)。リカがデリで呼ばれてラブホに行くと、客でバックが待っていた。「犬のバックと呼んで足げにしてほしいワン!」。シーナが裏切ってリカの援助交際の秘密と電話番号を教えたとわかり怒り心頭に達するリカ。しかもこの犬。「フフン!あなた、金を払えばヤラセテくれるシトなんでしょ!さっさとマッパなってマタを広げるワン!」と、犬の癖に態度がでかい。「メス犬め、気持ち良いか!もっとケツを振るワン!」と、なんだかマゾと思ってたのにプレイはサドっぽい。犬ごときにでかい態度を取られてブチ切れるリカ。バック(犬)のタマを踏みつぶす。「キャイン!キャイン!」「血尿が出たワン!」。リカはバック(犬)をボコボコに蹴る。「これだワン!これが望みだったワン!」

満足したバック(犬)は、しみじみと自分の過去を語りだす。初体験の相手が飼い犬の犬のバックだったらしい。初恋相手を未だに忘れられないとは、純愛なのである。犬と人とで結婚まで考えていた。しかし、それを知って怒り心頭に達したお父さんがバックを保健所に連れて行き処分してしまう。悲しみのあまり、彼は心が壊れそれから自分をバック(犬)と名乗るようになったのだ。「どうやら、変態は変態なりに事情があるのね」と理解を示すリカ。

●そこに携帯で電話が掛かってくる。シホンだった。有頂天になって飛び上がるリカ。その愛に熱中している様を見て悲しくなる犬のバック。「キューンキューン」。

●シホンの家に行く。死んだ両親が牧師でそれで教会に住んでいるらしい。興奮してどんな変態プレイをしてもいいわ!と言うリカ「パイ投げとか!」。それを聞いて喜ぶシホン。俺がこれからやるのは「イケニエプレイだ!」と、鎖の巻かれている滑車のハンドルを回すと、逆さ十字架に張り付けになっているシーナが天井から降りてくる。シーナは瀕死の重体で死にかけている。「た、たすけて。こいつ、やばすぎ……」。

びっくりするリカ。どうやら、シホンは黒魔術をファッションだけじゃなくほんとに実践しているカルト男だったらしい。自分のヒットCD「ブラック&メタル」を大音量で掛ける。「これでいくら大声で悲鳴を上げても近所には聞こえない」。逃げようとするリカに襲い掛かり「ブラック!」「メタル!」と叫ぶシホン。リカは手足を縛られ逆さ十字架に張り付けにされる。

●左右の壁にあるタンスの観音開きの戸を開けると、両親がミイラになって二人を見つめている。もちろん両親もシホンが殺したのである。両親は厳格なキリスト教徒で過度な暴力的なしつけをシホンにやり、激しく親を憎んだシホンは親を殺しアンチキリストになったのだ。それを見てリカ、びっくりして悲鳴をあげる。

●ブチ切れたリカはツバを吐きかける。怒ったシホンはカミソリを出して、リカに襲いかかる。服が切れる。悲鳴を上げるリカ。

●そこに来たのがバック(犬)。リカを守って代わりにカミソリで切られて怪我をする。悲鳴を挙げて苦しむが「リカを守るためにはなんでもするワン!」と言い、それを聞いて犬だがけっこう感動するリカ。シホンと戦うバック(犬)。「犬は犬でも土佐の闘犬だワン!」と噛み付く。シホンの手足の骨をバリバリ噛み砕く強いバックのアゴ。実はバックは犬と思い込んだ子供の頃から毎日、骨をかじってアゴを鍛えていたのだ。今では牛骨でさえセンベイのようにバリバリ噛み砕けるようになった!

●争っているうちに、逆さ十字架が倒れて下敷きになるシホン。ローソクが倒れて火事になる。口でクギを抜いてリカを助けるバック。逃げ出す。焼け落ちる教会。消防車が駆け付けてくる。「愛しているわバック、これからはあたしが飼い主よ!」「うれしいワン」。抱き合う二人。

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