冷えた畳の上に覆い被さる如く乗り掛かると、小柄な肢体は一瞬だけ死んだ虫のように動きを止める。
しかし、組み敷かれる事実を理解するや否や、迫り来る“其れ”から逃れようと、脚をジタバタさせたり弱い力で胸元を押し返したりしてきた。全体重を重しのように掛けると、苦しそうに表情を歪ませ、小さな呻き声を漏らす相手と目がバチリと合った。


「何…考えてんだよ、ゲスチン…。」

「ふん…黙ってやられてりゃ良い。こういう時は、何も考える必要はねェ。」


オレの本質を覗き見たのならば、等価交換するのが世の決まりだ。
てめェがどんな風に鳴いて、どんな風にオレに暴言を浴びせ憎しみを抱き、そしてどんな風にぶっ壊れて行くのか…興味深いじゃねェか。


「精々楽しませろよ。」


彼女の首筋にガブリ、と噛み付いた。



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