短編より更に短い、思い付きの文章を投稿していきます。 本当に思い付きばかりなので、オチが無かったり意味不明だったりするかもです。 Twitterに載せたSSも投稿するかもしれません。 「無駄口を聞くな、俺の事は角都様と呼べ。」 文字通り、黒い触手のようなもので上唇と下唇を縫い付けられた。 痛みよりも屈辱の方が遥かに大きい。 誰か助けて、くれ…なんて、もう言葉にすら出来ない。 [削除] 「無駄口を聞くな、俺の事は長門様と呼べ。」 …なんて辛辣な言葉を言って述べる程、俺はお前には冷たく当たれないようだ。 言い換えるなら…そうだな。 「無駄口を聞くな、たくさん食べて大きく育て」だろうか…。 [削除] 「無駄口を聞くな、俺の事はサソリ様と呼べ。」 …と言ったところで、死人に口なし、人形に口なし…か。 残念だ。 お前の口から一度で良いから俺の名を呼ぶ声が聞きたかった。 [削除] 「水影様!」 「長十郎様!」 水影に就任してから暫く経つけど…様付けは未だに慣れない。 そろそろ慣れなきゃいけない頃合いだというのは分かっているんだけど―…。 「おい。」 「!…多由也さん、どうしたんですか?」 「長十郎…様。」 「………。」 それだけ言い残して立ち去ろうとする彼女の肩をぐいっと掴んだ。 机に積み重ねて置いていた書類の山が紙吹雪のように舞う。 「も、もう一度言ってください。」 「嫌だ…慣れないんだろ。」 「水影命令です。」 ―ああ、やっと理解した。 僕が欲しかったのは誰からの"長十郎様"でもない。 彼女からの"長十郎様"だったんだ。 [削除] 幾度目かの鐘の音が境内に響く。 子連れの家族、深夜から友人同士で参拝に来た者達、恋人繋ぎの若い男女…それぞれが思い思いの形で新年を迎えて居る。 108の中には良心も悪心も含まれて居ると聞いた事が有る。 昨年も矢張り変わらず、血と汗と悲鳴に塗れた一年だった。 2015年こそは、少しでもウチの中の"良心"の範囲が広がれば良いとー…幸せな人々を眺めていたら、自然とそう思ってしまった。 まァ、邪な者の側に仕える限りは無理、か。 返り血で汚れた相棒を掌で無造作に拭い、ウチは境内を後にした。 今年初めての任務完了の合図と共に。 [削除] ぶっ壊すしかないと思った。 オレ達のこの腐れた関係を。 てめェの表情を。 オレの心を惑わす其の声音を。 破壊してしまえば、きっと元の生活に戻れると信じていた。 いや、願っていた、と言うべきか。 オレの本質を知られるのが死ぬ程嫌で。 だから壊そうと思って、只其れだけの理由で、手を出した。 我ながら身勝手だと思う。 【追記→エロ表現注意】 [▽追記][削除] 酒や女、そんなものは要らない。 オレの魂は満たされない。 「………。」 果たして、酷く怯える君の其の泣き顔に嗜虐心を掻き立てられた後も、同じ事が言えるのだろうか? オレのポリシーに反するものを持つかもしれない女に腹が立ったので、取り敢えずオレの心の中に幽閉しておいた。 これでもう君は逃れられない。 [▽追記][削除] 「へェ、多由也って言うんだ、君。」 何だろう、この禍々しい感じは。 威圧的な彼の気は、一見温和な好青年と思わせる其の口角さえも、不気味なものにしていて。 至近距離まで詰め寄られ、きゅっと手首を捻り上げられる。 華奢な線からは想像出来ない程力強く、惨めに手の骨がみしみしと軋む音を上げている。 唯一の武器である魔笛は、彼の靴によって踏みにじられ、まるで脅しを掛けられる如く、相棒の方も重圧に耐えている。 「面白い能力を使うね。けど、この笛が無いと何も出来ないと言ったところかな?」 「てめェ…!」 眼前の表情は一秒足りとも笑みを携える事を忘れない。 其れが彼の流儀だとも、ウチは知らない。 「何がおかしい…殺るならさっさと殺れ、ゲスチン。」 「オレは女は殺さない主義でね。将来、強い子どもを生むかもしれないだろ?」 ふっと、手首を捻る力が緩んだ。 かと思えば、次の瞬間には彼の細い指先は馴れ馴れしくウチの頬を撫で上げてー…。 「だから君は殺さないでおいてあげる。此処まで楽しめたのも久々だし、女にしては君は強い。」 「…クソが、何が言いたい?」 「いや、君がオレの子を孕んだら、きっと強い遺伝子を持った子どもが生まれるんだろうなって思って。」 [▽追記][削除] 真っ白な空間。 其れはまるで己の汚れた心とは正反対で。 だから眩し過ぎて。 薄っすら瞳を開くと、手配書で確かに見た事のある装束。 黒い生地に赤い雲模様。 其の上部に位置する奴の表情は、無に近いながらも慈愛を感じさせる風情がありー…起きたばかりの状態ですらそのように認識出来たのだから、実際そうなのだろう。 己を包む其の白色が紙だと理解出来た時、既にウチの目覚めを察した相手の顔が覗き込むように、近くにあった。 「漸く目が覚めたか…心配した、三日三晩気絶していたから。」 「…ウチは…。」 「大木に潰されている所を見付けて、連れて来たの。安心して。此処には私しか居ない。」 「(いや、その“私”が結構な問題なんじゃねェのか…。)」 拾われて、まず一つ目に思った事。 真の極悪人なんてのは、存在しないのかもしれない。 [削除] 「王手。」 「〜〜〜!!くそ!もう一度だ!」 「嫌だね、何度も何度もめんどくせー。」 「何だと…!」 「良い線行ってると思うんだけどなァ…何つーか、お前は詰めが甘いンだよな。」 彼女がオレん家に居候を始めて、早三ヶ月になる。 其の間に季節は巡り、深い緑は既に舞い散って、風に吹かれたカラフルな葉っぱが、縁側にも降り注いで来る時期になっていた。 将棋台を端に寄せながら、一つの紅い紅葉を指先で摘まんで、くるくると食指と親指の間で弄ぶ。 「…詰めが甘いのはどっちだよ。」 彼女の次ぐ発言に、心当たりが無い訳では無い。 まあ確かに、そういう事情になりゃァ、オレはヘタレかもしんねェ。 だけど、オレの傍ら、密着する様に寄り掛かって来る女にそう言われちまうと、男心がムキにならざるを得ない。 隣で綺麗な顔がニッと口角を吊り上げる。 でも、仕方ねーだろ。 お前に対して詰めが甘いのも全部が全部、其の悪戯な笑顔がオレの中の良心を揺さぶるからなんだ。 将棋と違って、簡単にお前の「王手」を取るべきじゃないんだと、そうオレの心が言ってんだよ。 この指で踊らされている紅葉のように、お前はいつだってオレの感情を翻弄する。 [削除] <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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